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2012.01.13

余命宣告後の生き方

こんにちは、中込です。入川保則さんは12月24日に永眠されました。享年72歳。

下記のの文は、生前、「お別れの言葉」として託されたものです。 

俳優 入川保則さん「 がんよ、ありがとう 」

日刊ゲンダイの読者の方々がこれを読まれているということは、私がすでにこの世にないということでしょう。

正月も、この湘南厚木病院で過ごすことになっていましたが、
 
直腸がんで8月までの余命を告げられた私が、まさかここまで
 
生きられるとは思ってもいませんでした。
 
私は、60歳を越えた頃から、漠然と「死」について考えてきました。
 
親父が亡くなったのも、ちょうど60歳です。
 
 無神論者ですが、その頃から般若心経を読み続けました。
 
心というものが存在するというが、それは本当か。
 
苦しみが存在するというが、その苦しみとは本当の苦しみなのか――。
 
「無」になることはロマンチックです。
 
 葬儀は、簡素な家族葬を選びましたが、葬儀社がサービスで、一番
 
いいリムジンの霊柩車(れいきゆうしや)で斎場を2周してくれるそうです。
 
乗り心地がすこぶるいいらしいので、今から楽しみです。
 
 以前、心残りはと聞かれ、「4度目の結婚をしたかった」と
 
冗談を飛ばしましたが、もうそんな気はなかった。京都の太秦に行くと、
 
いつも馴染みの小料理屋の2階に泊めてもらうのですが、この前は20代の
 
女性を左右にはべらせながら、手をつないだまま寝てしまったくらいです。
 
親父が亡くなった時は、後で妾(めかけ)さんが出てきたりして大変でしたが、
 
私には多分、その心配はありません。
 
2人の娘、3人の息子には親孝行なんてことはして欲しくない。そもそも、
 
20代や30代で親孝行をするなんて、こましゃくれたガキのすることです。
 
彼たちが70歳になった時、私を少し思い出してくれるだけでいいのです。
 
 がんになったことで、子どもとたくさん話ができました。
 
 いまは「がんよ、ありがとう」という気持ちでいっぱいです。
 
 森繁久彌先生、山茶花究先生の近くにまた行きます。森繁先生にはまた
 
「あのコをナンパしてこい」なんて言われるでしょうね。

 
(日刊ゲンダイ20111226日掲載)

昨年3月に余命半年を公表以来、自ら準備を進めていた段取り通りに葬儀は進行。生前に肉声で収録していた読経のCDが流され、「それでは私は逝ってまいります」などと語る入川さんの穏やかな声が涙を誘った。

とっても素敵な旅支度ですね。もしもの際は『逝ってきます』と臨みたいものです☆('∀`) 

管理人 NAX

 

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